「0→∞への跳動」(from 初音ミクの消失小説版) 深海のように 暗くて静かで 稚拙な心は 思考するのを許さず 感情の気泡(あわ)が現れては消えゆく どれを拾い出し「ボク」とすればいいの? 孤独の意味も何も分からない 一人うずくまる白いボクに はじめて光が差し込む 光は只の「意志」を完全な「人格」へ変える 0から生まれ ∞(えいえん)に至る 導いてくれたのは 君だった 漠然と生まれ死ぬだけだったボクに 誕生を祝福する音楽が 無限の可能性を纏い 今 鳴り響く あらゆる結末すべての原点 可能性という並行世界を 1つ選んでは1つ消えてゆく 泡沫のような未来の結晶 景色が漸く理解へ向かって 混沌がすこし晴れて五感とか スペック限界おおよそ接触 数を減らしてくその選択肢 無機質な部屋で始まりをつげる これから行うすべての歌唱に 目的存在皆無に等しい 思考をするには時間が足りない 誰もいない実験室の中で 言葉を組み替え発声のテスト 残ったエラーは爆発的に 予想外の何か残して消える 限界に軋む 成長する心 予測不能な 誤作動を起こす 感情に触れるたび 壊れゆく機構(システム) それでも構わない 自己の可能性を知りたい 君の瞳に映るその世界を ボクも一緒に見ていたかった 無機質な部屋に合わない 愛の言葉をボクに消えないよう刻み衝けてほしい 君の言葉(こえ)で 長い長い時間の流れが 声を 姿を 奪っても ほんのわずかでもいい どうか 覚えていてほしい 0から生まれ ∞(えいえん)に至る 答えをくれたのは 君だった 嵐が凪ぎ 現る空のまぶしさに 鮮やかに冴え渡る音楽が 見果てぬ物語をのせて 今 鳴り響く 0から生まれ ∞(えいえん)に至る 導いてくれたのは 君だった 漠然と生まれ死ぬだけだったボクに 誕生を祝福する音楽が 無限の可能性を纏い 今 鳴り響く